※この記事はネタバレを含みます
『ウマ娘プリティーダービー』というアニメをご存知だろうか。原作はCygamesの競走馬を擬人化したゲームである。
2021年のスマホゲームリリース後から一気に人気に火がついた本作品。2018年にアニメ1期、2021年にはアニメ2期が公開されている。
昨今擬人化アニメは数多く出ている。『はたらく細胞』、『刀剣乱舞』、『艦隊これくしょん』どれも根強い人気を誇っているが、ウマ娘の魅力は「すべての競馬ファンの夢と希望の物語」と私は感じる。
このアニメを見るまで競馬の知識はほとんどなかった私だが、今回はその魅力について全力で語っていきます!
ちなみに、私の推しはセイウンスカイちゃん!
「友情・努力・勝利」

週刊少年ジャンプの三大原則として語られることが多いこのフレーズだが、ウマ娘にはこの要素がすべて詰まっている
<友情>
このアニメには競走馬の友情が数多く描かれている。「馬なのに友情っておかしくない?」というツッコミは受け付けない。
- スペシャルウィークとサイレンススズカ
- トウカイテイオーとメジロマックイーン
- キタサンブラックとサトノダイヤモンド
友情の形はそれぞれだが、競走馬という観点から見ると互いに良きライバルとして高めあっていくという構図がたまらなく盛り上がる。
時には仲良く、時には助け合い、時にはライバル
色々な友情の形が見れるのがウマ娘の醍醐味である。
<努力>
ウマ娘(競走馬)たるもの最大の目標は「レースに勝つこと」である。ただ楽しく毎日を過ごしているわけではない。
アニメの中ではトレーニングの様子も多くの時間を割いて描かれている。そして、トレーニングもただ闇雲に沢山走るわけではない。
ウマ娘には「トレーナー」と呼ばれる役割の人間が出てくる。そのトレーナーはウマ娘がベストな状態でレースに出走できるように日々さまざまトレーニングを試行錯誤している。
ウマ娘のトレーニングの葛藤だけではなく、トレーナーとして「このウマ娘には勝って欲しい」というトレーナー側の葛藤も描かれている。
ウマ娘とトレーナーが一心同体となってトレーニングを積んでレースに勝っていく。その努力が実を結び、見ている側にも感動を与えてくれる。
<勝利>
ウマ娘にとっての勝利とは「レースで1着を取ること」。
昨今のなろう小説のように主人公が無双して毎回毎回1着を取れるほど競馬は甘くない。
努力して1着を取った。しかし、次のレースではライバルに及ばず1着を逃す。一進一退の展開が普通のアニメでは感じられないリアリティを視聴者に与えてくれる。
1視聴者として「このウマ娘に勝って欲しい!」と感情移入して、1着を逃すととても悔しい気持ちになる。気がつけばアニメということを忘れて、本当の競馬のように感情移入している。
そして、その葛藤があるからこそ大一番で勝利した時には自分のことのように嬉しい気持ちになり、同時に感動する。そんなアニメがあるだろうか。
ウマ娘の勝利はアニメの域を超えて、現実世界の私たちにも感動を与えてくれる。
「もしも」を叶えてくれたアニメ

※ここからは盛大なネタバレです
「もしも」あの馬がこのレースを走っていたらどうなっていたのだろう。
現実ではありえない「もしも」。けど、アニメならその「もしも」が叶う。
1期7話「約束」
この話は多くの競馬ファンに語り継がれるとあるレースの話である。
1998年天皇賞(秋)。「異次元の逃亡者」と呼ばれたサイレンススズカはオッズ1.2倍の圧倒的一番人気。スタート直後から圧倒的なスピードで先頭を走り、誰しもがサイレンススズカの優勝を信じた。
しかし、第3コーナーに差し掛かるところでトラブルが起きた。突如ペースを落としコースから離れていくサイレンススズカ。怪我であった。怪我は左前脚の手根骨粉砕骨折。
その後、予後不良(怪我や病気の診断で治療による回復の見込みがないこと)の診断により安楽死処置が行われた。
アニメでも史実同様第3コーナーに差し掛かるところで、骨折により競走中止。見ている私は頭を抱えた。おそらく当時の競馬ファンは私の比にならない程の衝撃を受けたに違いない。
史実であれば安楽死の措置が取られるが、ウマ娘は違った。
1期11話「おかえりなさい!」
サイレンススズカは辛いリハビリを乗り越えて、オープン特別に出走し見事1着をトップって復活を遂げた。
- もしもサイレンススズカが怪我から治るなら…
- もしもサイレンススズカが復帰したらどんなレースになったんだろう…
そんないくつもの競馬ファンの「もしも」をこのアニメは叶えてくれた。
私はサイレンススズカという馬は名前しか知らなかったが、このアニメを見て史実のサイレンススズカの動画を見た時に、思わず泣いてしまった。
きっと多くの競馬ファンがこの光景を夢に見ていたのだろう。そう思うと涙が止まらなくなった。
「もしも」を叶えてくれたウマ娘は、すべての競馬ファンの夢と希望の物語だとその時確信した。
奇跡はあるよ、どんな時にもね

奇跡という言葉は現実ではほとんど使われることはない。しかし、トウカイテイオーにはその言葉がふさわしい。
2期最終話「夢をかける」
度重なる怪我の影響でなかなか思うように走れないトウカイテイオー。一時は引退も考えたが、ファンからの熱い期待もあって競走馬として走り続けることを選んだ。
そんな中、トウカイテイオーの親友のメジロマックイーンが左前脚部繫靱帯炎という重い怪我となり、二度とレースには出れなくなってしまった(史実通り)。
メジロマックイーンの想いものせてトウカイテイオーは364日ぶりの出走となる有馬記念に出走する。
ビワハヤヒデ、ウイニングチケットなど名だたる名馬が出走する中、トウカイテイオーは見事1着で奇跡の復活を遂げたのであった。
この話を見た時「さすがにアニメ展開でしょ」と思った私であったが、調べてみると史実通りであった。もうその瞬間号泣。
当時のレースを見てない私でも号泣するのだから、当時の競馬ファンどっなっちゃったの?
奇跡を目の当たりにした。そんな清々しい気持ちでアニメ2期を見終えることができた。
おわりに

このアニメを見て色々な競走馬のことを調べたり、YouTubeで動画を漁った。そして感じたことが一つある。
事実は小説よりも奇なり
この言葉こそウマ娘にぴったりな言葉であると感じた。
アニメだから当然フィクションも入っている。走っている競走馬はどれも年代はバラバラだし、みんな女の子(牝)である。
しかし、そんなアニメのフィクションを感じさせないくらい没頭できるアニメである。
まだ見ていない方はぜひ見てほしい。特に2期は私が2021年一番印象に残ったアニメと言っても過言ではない。
それでは!
コメント